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退去時のトラブル

今から16年前に住んでいたアパートは、三畳、六畳の二間に三畳の台所、という間取りでした。
トイレ付ですが風呂はなし。
ただしアパートの前に銭湯とコインシャワーがあるという場所です。
ここは私が初めて一人暮らしを始めた場所でした。
当時25歳の私は、2浪して入学した大学生活があまりにも楽しくて、もう一年卒業を延ばすことにしました。
当時はバブルの初期のころ。
4年生の時の同級生は、銀行・証券会社を中心に就職活動をしており、やれ内定が何社だの、会社からどんな接待を受けただのという話題で盛り上がっていました。
就職する気のほとんどない私も数社を受け、当時は10月1日でないと正式内定を出すことができない就職協定があったため、「内々定を出すから今すぐ返事を」と食事と酒とそのほかの接待を受けながら、内定承諾の回答を出すよう責められていました。
今思っても、やはりバブルでどこか狂っていた時代なのだと思います。
ま、そんな話はさておき「大学5年生に進級した」とふざけた留年報告をした私に、両親は「お前みたいな馬鹿息子はすぐに家から出て行け」と告げました。
二児の父親になった今では、両親の気持ちは十分にわかるようになりましたけれど。
そんな経緯で実家から追い出された結果、住んだ場所でしたが、入居から4年半が経過して(その間、大学も無事?卒業して就職もしました)
風呂付のアパートに住めるぐらいの年収になり、転居することにしたのです。
不動産業者に解約の申し込みをして、大家さんに退去の挨拶をしに行きました。
すると、あからさまに大家の機嫌が悪い。
なぜなら2年前に隣の部屋が空いたんですが、1年以上も空室のまま。
ようやく作業所みたいなところが借りたのですが、半年余りで再び退去…。
そんなときに私の退去だったので、機嫌が悪かったみたいです。
でも私には関係のないことで。。。
ところが退去後半年たっても、敷金の精算がされないんです。
すぐに不動産会社に電話をしました。
「あ、はい。。
大家さんに連絡してみます」なんとも適当な返事。
案の定、数日たっても回答が来ません。
再度こちらから電話。
「あ、はい。。
大家さんに連絡してみます」見事なまでに同じ調子での返事。
結局1年たっても清算はされないまま。
その間、何度も不動産屋には電話をかけました。
清算されないことに納得していないことももちろん告げましたし、清算されない理由も聞きました。
不動産屋は敷金の清算が遅れていることを詫びていました。
清算されない理由は、私の退去した部屋の修繕をしていないからとのことでした。
私の借りていた部屋の隣室が1年以上も空き室だったことから、新しい借り手がつくまで修繕をしないつもりだというのです。
たしかに入居する際、畳も張り替え壁も塗り替えて貸すので、退去するときはその費用を負担してほしいというのが条件でした。
なのでその費用を敷金から差し引かれることはそれなりに納得はしていたつもりです。
しかし、新しい借り手がつくかどうかわからないから、私の敷金を清算しないで預かるというのは当然納得いきません。
納得しないことを繰り返し告げましたが、不動産屋は「お気持ちはわかりますし、おっしゃる通りですが、大家さんが…」そればかりでした。
暖簾に腕押し、糠に釘のような業者との1年以上のやり取りに疲れた私は、悩んだ挙句、司法書士に相談することにしました。
電話帳で調べた司法書士事務所に電話をかけて、相談の予約をしたいと言いました。
相談内容を聞いた司法書士は一言。
「その程度なら、事務所にきて相談料払わなくても、もう少し不動産業者に強く出れば解決するよ」そうアドバイスされました。
不動産屋とのダラダラとした押し問答に疲れ、司法書士に相談しようとしていた私ですが、その思いもかけない無料相談に少し拍子抜けしました。
しかし!もう少し強くでれば解決する、そうと言われて勇気(?)
が湧いてきました。
電話ではもう埒が明かないと判断し、文書で通告することにしました。
「契約書には『敷金は退去後に速やかに清算する』と書いてある。
敷金から修繕費用を差し引くということは納得して契約しているが、新たな借主がいつ入るかわからないから修繕をしないことを理由に敷金精算を延ばすのは納得できない。
ここまで待たされた以上、この文書がついてから一両日中に敷金を全額もどしてほしい。
できないのなら法的措置をとる」文書が不動産屋についたと思われる当日、電話がきました。
「お気持ちは十分にわかりました。
申し訳ありません。
ただすぐに全額清算というのはできかねますので、もう少しお待ちいただけますか?」「ここまで待たせておいて、我慢できないからすぐに清算をしてくださいと書いたのです。
いままで何か誠意ある対応をしてくださいましたか?こちらは今まで怒りもせずお話ししてきたつもりです。
一年以上も解決しないのに。」
「でも修繕費を差し引かないとお返しできないんです。
も・もちろんお返しが遅れていることは申し訳ないと思っていますが」「いや。
すぐに全額払い戻してください」「だとすると、裁判になってしまいますよ。
時間は今まで以上にかかります」ここでカチン!ときました。
「ふざけるなよ。
こっちは専門家に相談済みなんだ。
これだけ時間掛けやがって。
裁判になると時間がかかる?開き直るのもいい加減にしろ。
法的措置を取るって書いただろ。
そっちの回答は裁判にしろってことだな!」そう言って電話を一方的に切りました。
でもすぐに不動産屋から電話が。
「いや、こちらの言い方が悪かったかもしれません。
申し訳ありません。
ごめんなさい。
落ち着いてお話いただけませんか?」結局、10日以内に修繕費の内訳と領収書を付けて清算することになりました。
清算後、しばらくして…私は領収書にあった畳屋に電話しました。
「はい。
○○です。」
「あの、自宅の畳の張り替えをお願いしたくて」「ああ、うちは商売やめているんだよね」そうなんです。
領収書を発行したアパート近くの畳屋は、看板こそ残っているものの商売はやめているような感じだったので電話しました。
早速この件で不動産屋へ電話。
「なんですか?いったい?」いかにも面倒臭そうな態度での対応。
畳屋の一件を話すと少し驚いたような口調でしたが「そうは言ってもねぇ。
大家さんが頼んだところなのでこっちに言われても」との回答。
「畳屋が商売やってようがなかろうが関係ないって言われればしかたないけどさ。
商売やってない畳屋さんの領収書使われて清算されちゃぁね。
畳屋も廃業してやってない商売で、領収書をあちこち発行していたら税務署も黙ってないだろうにな」向こうは何か言いたそうでしたが、私はそのまま電話を切りました。
数日後、畳代の返金をしたので領収書を送り返してほしいというメッセージが留守番電話に入っていました。
もちろん無視しました。
何度か電話がかかってきたようですが、無視し続けました。
領収書は税務署に匿名で簡単な経緯を説明した文書を付けて送っておきました。
その結果がどうなったのかは知りませんし、興味もありませんでした。
とにかく、無駄な労力を使わされたという気持ちしか残らなかった出来事でした。

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